
本間宗究(本間裕)のコラム
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2025.3.24
実践投資と経済理論
「投資の実践」を始めてから、今年で49年目を迎えるが、現時点での感想としては、「既存の経済学」が、あまりにも未成熟な状態であり、その結果として、「実践投資には、ほとんど役に立たなかった」という点が挙げられるものと考えている。別の言葉では、「投資の実践経験」が無く、単に「机上の空論」だけを述べるエコノミストや評論家が多いために、「世の中の動き」が理解されていない状況のようにも思われるのである。
そのために、現時点で必要なことは、「どのような問題点が、既存の経済理論に存在するのか?」を分析しながら、「今後、どのようにして実践投資に活かすのか?」を考えることとも思われるのである。つまり、「なぜ、既存の経済理論では未来予測が難しいのか?」を考えることでもあるが、実際のところ、1980年代に、私が実感したことは、「大学で学んだ為替理論が、まったく実践の役に立たなかった」という事実だった。
その結果として、私自身が実践したことは、「過去の歴史」を振り返りながら、「過去200年間に、どのような商品が実際に生産され、また、その時に、どのような貨幣が使われていたのか?」の分析でもあった。そして、この過程で気付かされたことは、「19世紀のマルクス経済学」も「20世紀のケインズ経済学」も、「お金(マネー)の謎やメカニズム」が解明できていない事実だった。
しかも、「1971年のニクソンショック」以降は、「単なる数字」が「政府の信用」などを基にして、「人類史上、未曽有の残高にまで大膨張した状況」だったことも理解できたが、現在の注目点は、「いまだに、誰もこの点に問題意識を持っていない状態」であることも理解できるのである。つまり、「自分が保有している貨幣やお金」に関して、「裸の王様の衣服」のように、まったく疑問を抱いていない状況とも言えるのである。
具体的には、「世界的なマイナス金利の発生」という「お金を貸した時に金利が貰える状況」についても、世界中の人々が、問題意識を持たなかったわけだが、現在では、ようやく、「異次元金融緩和の反動」が世界的に発生し始めた状況のようにも思われるのである。つまり、「既存の金融システムが崩壊する可能性」に恐怖心を抱いた人々が、慌てて、本来の「マネー」である「金(ゴールド)や銀(シルバー)」などの現物を購入する動きが、世界的に発生し始めた状況のことだが、その結果として、これから予想される展開は、「お金の謎」の解明であり、また、「四次元の経済学」という「未来が読める経済学」の誕生のようにも感じている。