本間宗究(本間裕)のコラム

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2025.3.22

3000ドルの金価格

現在は、「3000ドルを付けた金価格」に対して、世界中の人々が、ようやく興味と関心を持ち始めた段階とも思われるが、この理由としては、「金融の大津波」の現状として、「仮想現実の海に存在していたデジタル通貨」が、ようやく、「現実世界の実物資産」に辿り着き始めた状況が指摘できるものと考えている。別の言葉では、「水蒸気のような状態のデジタル通貨」が「雲のような状態」に変化するとともに、徐々に、「紙幣の雨」が降り始めた状況のことである。

そのために、現時点で必要なことは、今までの「債券」や「不動産」、そして、「株式」のバブルの現状を正確に把握することだと感じているが、実際には、「デリバティブのバブル」が存在することにより、いまだに、「さまざまな市場で価格統制が実施されている状態」を理解することである。つまり、「債券」を中心にした「デジタル通貨のバブル崩壊」を防ぐために、いまだに、さまざまな手段が講じられている状況のことだが、現実の展開としては、「時間の経過とともに、デジタル通貨の水蒸気が重くなるとともに、雲の中で水に変化し始めた状況」とも考えられるのである。

より詳しく申し上げると、「金利の上昇」とともに、「債務の負担」が増加し、結果として、「資金面での枯渇」が、さまざまな分野で発生し始めた状況のことだが、実際には、「民間部門」のみならず、「中央銀行」や「政府」においても、資金面での問題が発生している状況とも理解できるのである。別の言葉では、「リフレーション政策の行き詰まり」を意味する「国債の買い手が喪失し始めた状況」のことでもあるが、この結果として予想される展開は、当然のことながら、「債務の貨幣化」である「紙幣の増刷」とも理解できるのである。

そして、このような状況を理解し始めた人から、徐々に、「金(ゴールド)や銀(シルバー)などの購入」が始まったものと思われるが、最近の急激な変化としては、「大量の貴金属が、一斉にアメリカに流入し始めた状況」が指摘できるのである。つまり、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制と呼ぶべき通貨制度」の崩壊を案じた人々が、大量の実物資産を購入し始めた可能性である。

別の言葉では、「金融界のホーキング放射」とでも呼ぶべき状況のことだが、実際には、「仮想現実のブラックホール」から、一斉に、「現実世界の実物資産」に向かって、大量の資金が殺到し始めた展開のことである。