本間宗究(本間裕)のコラム

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2025.3.17

石破首相の金銭感覚

「150万円のポケットマネー」や「10万円の商品券配布」などからも理解できるように、「自民党内で最もカネの問題に遠い人物ではないか?」と言われた「石破首相」でさえも、「金銭感覚における国民との認識乖離」が明らかな状況となったものと感じている。つまり、「税金を払う側の国民」と「税金を使う側の政治家」との間には、現在、深い「意識や認識の乖離」が存在するものと思われるが、この結果として予想される展開としては、「自民党の内部崩壊や分裂の可能性」が挙げられるものと考えている。

より詳しく申し上げると、「2008年のGFC(世界的な金融大混乱)」から始まった「世界的な共同体の分裂」は、現在、より一層、加速するとともに、より小さな共同体の分裂や崩壊を引き起こしているものと思われるのである。具体的には、「G7の分裂」や「米国共和党の分裂」などのことだが、この結果として予想される事態は、「信用の更なる消滅により、資金面での枯渇が加速する展開」とも考えられるのである。

別の言葉では、「共同体の規模拡大に伴って膨張した信用、および、貨幣や通貨」に関して、現在では、反対に、「共同体の規模縮小が、連鎖的なバブル崩壊と不良債権の急増をもたらしている状況」とも思われるのである。つまり、最初に、「世界的な債券バブルの崩壊」、そして、その後に、「世界的な不動産バブルの崩壊」を引き起こし、現在では、「世界的な株式バブルの崩壊」が発生しかかっている状況のことである。

その結果として、「世界の通貨や貨幣」は、現在、「仮想通貨の世界に存在するデジタル通貨」から「現実世界に存在する紙幣」へと、急速に形を変え始めた段階とも理解できるのである。つまり、「水蒸気のような状態のデジタル通貨が、水のような状態の紙幣へと変化し始めている状況」のことでもあるが、この時の注意点としては、「過去数十年間に、人々の金銭感覚が狂ってしまった可能性」も指摘できるのである。

より具体的には、「現在」と「30年前、あるいは、50年前との世界」とでは、「お金の使い方」や「生活水準」などに関して、さまざまな変化が発生したものと考えられるが、この理由としては、「大膨張したデジタル通貨」の裏側で「さまざまな税金が課された国民」が指摘できるものと考えている。つまり、「税金を湯水のように使い続けた政治家」とは違い、「エンゲル係数の急増」に見舞われている国民は、現在、「その日暮らしに甘んじざるを得ないような状態」のために、冒頭の「石破首相の商品券配布」については、今後、国民からの大きな反発が予想されるものと思われるのである。