本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.1.11

日銀のデジタル円

「デジタル円の導入」に関する記事が、最近、マスコミを賑わし始めているが、この点に関する注意事項としては、「なぜ、現在、デジタル円などのCBDC(中央銀行デジタル通貨)が、世界的に必要とされているのか?」の理解が挙げられるものと考えている。つまり、「5000年から6000年の歴史」を持つといわれる「人類の通貨」において、「デジタル通貨が、どのような意味を持つのか?」を理解することである。

別の言葉では、「お金(マネー)とは、いったい、どのようなものなのか?」、あるいは、「どのようなメカニズムでマネーの大膨張が発生するのか?」などの理解でもあるが、今回の「デジタル通貨」に関しては、「先進各国の資金的なひっ迫」が根本的な理由として挙げられるものと感じている。つまり、いまだに隠蔽され続けている「デジタルバブルの崩壊」という「不都合な真実」を解決するために、「紙幣の増刷」ではなく、「世界的なデジタル通貨の発行」が目論まれている可能性のことである。

そして、この計画については、「マネーの性質」を無視した無謀な行為であり、その結果として、悲惨な結果をもたらすものと考えているが、その理由としては、以前から指摘している「80億人の換物運動」が挙げられるものと思われるからである。つまり、「お金(マネー)」は「人々の信用」を形にしたものであるために、今後、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の導入」と同時に、「世界中の人々が、受け取ったCBDCを、即座に実物商品に交換する動き」が始まるものと考えられるのである。

より詳しく申し上げると、「信用が完全に失われた、数多くの通貨の歴史」を紐解くと、「信用は一瞬にして崩壊する」という言葉のとおりに、「ほぼ瞬間的というタイミングで、人々が、一斉に、実物商品を買い求め始める展開」が見て取れるのである。別の言葉では、すでに失われつつあった「通貨の信用」が完全崩壊することにより、「貨幣の流通速度」が急上昇する展開のことでもあるが、現在の米国では、すでに、この動きが始まりつつある段階とも理解できるのである。

そのために、今後の注意点としては、「現在、世界的に、どれほどのお金(マネー)や負債、そして、どのような種類の商品が存在するのか?」を再確認しながら、「自分の生活のためには、どのような商品が必要不可欠なのか?」についても、改めて考えてみることでもあるが、実際には、「正月の地震」からも明らかになったとおりに、「食料品や水などの基本的な物資」であり、また、「実物資産と交換可能なマネー」のようにも感じている。