本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.1.10

人類史の呼吸

現在は、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊時」と似たような局面に遭遇しているものと思われるが、この点に関する参考意見としては、「カール・ヤスパース(1883-1969)の枢軸時代」が挙げられるようである。つまり、「人類の歴史」をたどると、「2500年ほど前に『第一の枢軸時代』が存在し、現在は、『第二の枢軸時代』に相当する」という考え方のことである。

より詳しく申し上げると、「人類の精神的な覚醒」に関して、「第一の枢軸時代」、すなわち、「紀元前500年前後に、世界の東西に優れた思想家が輩出した状況」だったものが、現在、「第二の枢軸時代」として繰り返されている可能性のことである。別の言葉では、人類全体が呼吸している可能性、すなわち、世界の歴史が、「息を吸い込む期間」と「息を吐きだす期間」に分かれている状況のことである。

そして、この理論に、「村山節の文明法則史学」を加えて考えると、「西暦400年から1200年」までが「人類が息を吸い込む期間」であり、その後の「西暦1200年から2000年が息を吐きだす期間」だったようにも感じている。つまり、「東洋の精神文明」で積み上げられた「信用」が、「西洋の物質文明」で「マネー」となって結実する状況のことであり、この結果として、「現在が、1600年前の西暦424年前後と酷似した社会情勢となっている事実」が説明できるものと考えている。

ただし、今回の相違点は、「西暦400年から1200年の期間に西洋で発生した高度な天文学や技術などの廃棄」が再現されない可能性であり、この理由としては、「11次元にまで発展した自然科学」の貢献により、「世界全体で、人類の英知が保存されている状況」が挙げられるものと考えている。そして、これから想定される「人類が息を吸い込む期間」においては、「社会科学の次元的な上昇」が見込まれるわけだが、実際には、「戦争による土地や資本などの奪い合い」が無くなる展開のことである。

別の言葉では、「歴史の全体像」が見えることにより、「ライプニッツの予定調和説」、すなわち、「神の見えざる手などにより、時間とともに、理想的な社会が実現されていく可能性」の実現である。つまり、物理学が指摘する「四つの力」が深く解明されることにより、「ダークマター」や「人々の祈り」などが、「人類社会の形成に、どのような影響を与えているのか?」が理解されるとともに、「より高次元な社会形成」に、大きな貢献をする可能性のことである。