本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.10.30

中国共産党の存続可能性

現在の「中国共産党」は、歴史的な転換局面を迎えるとともに、存続可能性が疑問視されている状況、すなわち、「風船の破裂メカニズム」である、「内外の圧力差」が拡大するとともに「内部分裂」が進展している状態とも言えるようである。しかも、今回は、「二重の圧力差」が存在している可能性も想定されるが、実際には、「中国と海外諸国との認識の相違」であり、また、「中国国内における共産党への認識の相違」のことである。

より詳しく申し上げると、「共産主義革命を標榜しながら、資本主義的な発展を目論んできた中国共産党」に関しては、「習近平の登場」により、世界的な評価が激変した状況とも思われるのである。つまり、今までは、「羊の皮を被った狼」、すなわち、「共産主義革命を表に出さない状態」だったものが、最近では、「戦狼外交」という言葉に象徴されるように、「経済的な利益」よりも「共産主義革命の実現」を、より重要視し始めた状況のようにも感じられるのである。

そして、この理由としては、「習近平による独裁化」が、大きな要因とも思われるが、この点を、冒頭の「風船の破裂メカニズム」で判断すると、現在では、前述のとおりに、「二重の意味でのリスク」が存在する可能性も指摘できるのである。つまり、「世界全体における中国の立場」であり、また、「中国国内における中国共産党の立場」のことだが、実際には、「二重の崩壊の力が、急速に働き始めている段階」とも想定されるのである。

具体的には、「西洋諸国と中国との関係性」に関して、現在は、急速に、「資金や人員などが引き上げられている状況」であり、この結果として、「中国国内の経済情勢が、きわめて異常な収縮を始めている可能性」も指摘できるのである。つまり、「海外からの資本投資」や「不動産のバブル」を基にして発展してきた「中国経済」は、現在、大きな「内外からの経済認識の圧力差」に見舞われている状況とも理解できるのである。

その結果として、「中国の国内」においても、「中国共産党の存在意義」に対する圧力差が強くなった段階のようにも感じられるが、実際には、「独裁国家となった習近平の中国」に対して、大きな疑問が出始めた可能性のことである。具体的には、「中国国内に居住する人々」のみならず、「海外に共住する、多くの裕福な華僑」などが、「中国の将来」に危機感を抱き始めた状況であり、この時に大きな意味を持つのが、「中国四千年の歴史」において、頻繁に発生してきた「易姓革命」、すなわち、「徳の無い人が天下を収めた場合に、どのような災害や変化がもたらされるのか?」ということである。