本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.5.16

中国の不良債権問題

「中国の不動産バブル崩壊と不良債権問題」については、「30年ほど前の日本」と同じようなパターンを辿っているために、現時点で必要なことは、「1990年代の日本で、どのようなことが起こったのか?」を振り返りながら、「今後の中国に応用する態度」だと考えている。つまり、「不動産バブルの実態」を検証しながら、「不良債権が、どのように発生し、また、どのように移動していったのか?」を理解することだが、この時の注意点は、やはり、「時価総額の落とし穴」だと感じている。

具体的には、「浮動玉」と「実際に取引された金額」を区別することだが、「1980年代の日本」で起こったことは、「ピーク時に約2500兆円にまで急増した日本の土地の時価総額」に関して、「実際に取引された部分が、全体の2%から3%にすぎなかった」という状況だったのである。つまり、「一部の物件が取引され、価格が急騰したことにより、全体の価格が急騰したと錯覚された状況」が発生したわけだが、この点については、現在の「DX銘柄のバブル」においても、似たような現象が発生しているものと感じている。

また、その後の展開としては、「時価総額の1割程度が不良債権化した」という状況だったが、この点に関する注意事項は、「不良債権が、金融システムの流れに沿って移行を始めた事実」である。つまり、最初に、「民間企業や個人」で発生した不良債権が、その後、「民間金融機関」に移行し、その後、「国家や中央銀行によって肩代わりされた」という状況のことである。

別の言葉では、「当時の不良債権は、いまだに消滅しておらず、国家や中央銀行の内部で増え続けている状態」とも言えるわけだが、現在では、この点を問題視する人が不在の状態となっているのである。つまり、「デリバティブの大膨張により、ほとんど全てが隠された状況」とも言えるが、今後は、「金利の上昇とともに、すべてが明らかになる可能性」も指摘できるのである。

そのために、今後の「中国の不良債権問題」については、「今後、どれほどの不良債権が発生し、また、どれほどのスピードで、金融機関や国家などに移行していくのか?」を注視すべきだと考えている。ただし、この時の注意点としては、「共産党による政治体制を維持しようとする人々が、どれほど正確な数字を発表するのか?」ということであり、また、「ロシアのプーチン政権」に対する恐怖心が、「今後、どのような形で、『中国の習近平政権』に影響を及ぼすのか?」ということだと感じている。