本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.2.5

激動の2022年

「暦のフラクタル」に注意しながら、「2月初めの相場」を見守っていたが、現時点では、「予想以上の結果」が出たものと考えている。つまり、「2022年」と「2月」が「壬寅」という同じ暦のために、「2月相場を見ることにより、2022年の年間波動が予測できる可能性」を考えていたが、実際には、「2月3日からの約3日間」が「2022年の相場を、より一層、凝縮した波動だった可能性」という「新たな発見」に繋がったのである。

具体的には、「2月4日」に発生した「世界的な金利上昇(国債価格の下落)」や「その他の資産価格の推移」などに関して、このことが、「今年の8月から9月にかけて、より巨大な波動を形成する前兆」のようにも感じられた次第である。つまり、過去20年余りの期間、「海中のビーチボール」のように、「先進各国政府の金融抑圧により抑えられていた動き」が、「2022年の後半に、本格的に表面化する可能性」のことである。

より詳しく申し上げると、「デリバティブ」という「巨大な金融商品」が産み出した「大量のデジタル通貨」が、間もなく、「紙幣の形で実物資産へ流れ出す状況」のことでもあるが、今までは、「物価の統計」のみならず、「通貨の残高」においても、「オフバランス(簿外取引)で保有されていたデリバティブが、どのような働きをしたのか?」が理解されていなかったことも見て取れるのである。

つまり、「デジタル通貨はデジタル商品へ流れ、また、実物商品は価格統制により上昇が抑えられていた状況」だったために、「オカネとモノとの関係性」を示すはずの「物価指数」が歪められ、正確に実情を表していなかったものと考えられるのである。あるいは、既存の経済学自体が、「実体経済」の動向だけに注目し、「マネー経済」が無視されていた状況だったために、「現在、どれほどのオカネが世界に存在し、どのようなモノが取引されているのか?」が、ほとんど理解されていない状況のことである。

しかし、「2022年に予想される劇的な変化」としては、「2月の初め」に発生した状況のとおりに、「世界的な金利上昇」の加速であり、また、「さまざまな実物資産価格の上昇」とも想定されるのである。また、今後、最も注目すべき点は、「デリバティブのバブルが、いつ、完全崩壊するのか?」、あるいは、「いつ、ハイパーインフレが発生し、そして、どれほどの期間で収まるのか?」などだと思われるが、この展開についても、「今後の2、3か月間で、ある程度の予想が可能ではないか?」とも想定されるために、今まで以上の興味と関心を持って、「暦のフラクタル」を研究したいと考えている。