本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.2.3

秩序の形成と崩壊

新たな関心を持った「量子力学」や「分子遺物学」などを勉強し始めたものの、今までは、全く歯に立たない状況だったが、現在では、わずかながらも光明が見え始めてきた段階のようにも感じている。つまり、「秩序の形成と崩壊」に関して、今まで研究してきた「東洋学」が応用できる可能性であり、実際には、「十干十二支」や「易経」などを、「エントロピーの法則」や「自己組織化の理論」に当てはめることである。

別の言葉では、「大自然界」や「人間社会」において、「どのような秩序が、どのようにして形成され、また、その後に、どのようなメカニズムで崩壊するのか?」を考えることである。そして、この点に関して、もっとも単純に当てはまる言葉は、「非理法権天」だと考えているが、実際には、「非合理な状態から合理的な秩序が形成され、その後、秩序の明文化である法律が発展するものの、その結果として、法律に従う人々が隷従化する『権力の暴走』が発生する展開」のことである。

そして、この「権力の暴走」に関しては、「軍事力」と「資金力」の二種類が存在するものと感じているが、実際には、「ミャンマーのクーデター」と「先進各国の金融政策」が参考になるものと感じている。つまり、「権力者の思い通りに、国民の行動を制御する方法」、しかも、「最後に、国民を不幸な状態に陥れる政策」としては、「軍事力による押さえ付け」という「目に見える、分かりやすい方法」と、「金融政策や資金力による押さえ付け」という「目に見えない、分かりにくい方法」が存在するものと思われるのである。

より詳しく申し上げると、「マネーの大膨張」がもたらす「金融システムの崩壊」のことであり、実際には、「簿外取引(オフバランス)で膨れ上がったデリバティブの残高を縮小させるために、中央銀行のバランスシートを大膨張させた展開」のことである。別の言葉では、「1971年のニクソンショック」以降に誕生した「信用本位制」と呼ぶべき通貨制度に関して、今までは、「国民の資金を利用して超低金利状態を作り出すことにより、時間稼ぎが可能な状況」だったものの、現在では、「デジタル通貨の枯渇により、金利の上昇が始まり、間もなく、通貨制度の崩壊が予想される段階」とも考えられるのである。

つまり、現在は、世界全体で、「権力の暴走」が窮まった状況のようにも感じているが、この結果として発生している変化が、「国民の気付きや覚醒」であり、実際には、「人間の作った法律」よりも、「天地自然の理」という「神様の創った法則」に対する信頼感への移行のことである。