本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.11.9

BIS規制のバーゼルⅢ

「BIS規制」とは、「バーゼル銀行監督委員会が公表している、国際的に活動する銀行の自己資本比率等に関する国際統一基準」のことであり、現在は、「2010年に制定されたバーゼルⅢが、2013年から段階的に施行されている状況」となっている。そして、現在、この点に関して、「貴金属市場」で注目されていることは、「2022年から、金(ゴールド)の混蔵保管が難しくなる可能性」である。

より具体的に申し上げると、現在の金市場では、「リアルゴールド(現物の金)」と「ペーパーゴールド(先物で売買される金)」の二種類が存在し、「市場価格は、ペーパーゴールドによって決定されている」と言われている。つまり、「政府やメガバンクなどによる価格操作が、金利のみならず、貴金属の市場にまで及んでいる」と理解されており、この時に、大きな役割を果たしていたのが、「デリバティブ(金融派生商品)」であるとも想定されていたのである。

ところが、今回の「バーゼルⅢ」の実施により、「2022年からペーパーゴールドの運用が難しくなる可能性」が指摘されており、具体的には、「大量の空売りの買戻しが、ペーパーゴールドの世界で実施される可能性」が噂されているのである。つまり、今後、「貴金属の価格が急騰する可能性」が予想されており、この点については、以前から申し上げているとおりに、「海中のビーチボールのような状態」とも考えられるのである。

別の言葉では、「大量に創りだされたデジタル通貨」を使い、今までは、「ほとんどの市場で、価格が統制されていた可能性」が指摘されているが、今後は、「さまざまな実物商品の価格が、正常な状態に戻る可能性」が想定されているのである。しかも、このことは、「大量に存在する世界のマネーが、実物商品の価格を抑え込んでいたために、本来の姿よりも多くの実物資産が浪費された可能性」も意味しているのである。

そして、このことが、現在の「地球環境悪化の原因の一つ」とも思われるが、今回の「バーゼルⅢの実施」については、「実体経済」と「マネー経済」との「異常な関係」が正常化されるキッカケの出来事になるものと考えている。つまり、「金融界のブラックホール」に存在する「大量のデジタル通貨」が、「紙幣の形で、現実世界に大量放出される可能性」のことであり、この時に深く認識される事実は、「お金」は「金(ゴールド)」であり、「過去5000年間に渡り、この原則が維持されたものの、1971年のニクソンショックをキッカケにして、単なる数字が通貨として利用され始めた展開」だと考えている。