本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.10.16

コロナショックとハイパーインフレ

歴史を研究すると、人知では全く理解できない現象に数多く遭遇するが、昔の人々は、このことを「神の計らい」と呼んだのではないかと感じている。そして、この点に関して、現在、私自身が感じていることは、「コロナショック後に予想されるハイパーインフレ」に関して、きわめて単純なサイクルが存在する可能性である。つまり、「戦後の26年サイクル」において、最後の段階で、「実体経済のマヒ状態」を意味する「コロナショック」が発生し、その後、「マネー経済のマヒ状態」を意味する「ハイパーインフレ」が発生する可能性のことである。

しかも、今回は、「2023年8月前後に、大インフレがピークを付ける可能性」も想定しており、その後は、「混乱が収まった国々から、徐々に、量子力学や分子生物学などの新たな理論が芽を吹きだす可能性」、あるいは、「核融合などにより、新たなエネルギーが確保される可能性」などが期待されるものと考えている。別の言葉では、「実体経済の約10倍」という規模にまで膨らんだ「マネー経済」が、適正な水準にまで収縮した時に、現在の「世界的な金融大混乱」が収まる可能性のことである。

より具体的に申し上げると、「2019年9月17日」が、実際には、「金融大混乱の始まり」だったものと思われるが、この時に発生したのが、いわゆる「コロナショック」であり、この結果として発生した現象が、「実体経済のマヒ状態」だったのである。つまり、世界中の人々の興味と関心が、「実体経済の縮小がもたらすデフレ効果」に向かったために、「マネー経済の問題点」が隠された状況だったようにも感じられるのである。

しかし、約2年という期間を経て、現在では、「世界的なスタグフレーションやインフレ」が危惧される状況となっているが、今後、最も注目すべき点は、「マネー経済のマヒ状態」、すなわち、「金融界の白血病」という「紙幣の増刷により、デジタル通貨が役に立たなくなる可能性」だと考えている。つまり、「デジタル化の弊害」としては、「数字の二重構造」が理解されていない点が指摘できるが、実際には、「お金には、表面上の数字の他に、根底の信用が隠されている事実」である。

より詳しく申し上げると、「便利さ」や「効率性」を求めた現代人は、「デジタル数字」という「お金の表面的な現象」だけを有効活用したものの、その結果として大膨張した「数字のマネー」には、「信用」という最も重要な部分が失われてしまったために、今後の2年間は、世界的に、この事実が認識されるものと感じている。