本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.7.7

四苦八苦の解消法(2)

人生の「四苦」としては、「生きる苦しみ」の他に、「老いる苦しみ」や「病の苦しみ」、そして、「死の苦しみ」が存在するが、これらの苦しみに関しては、私自身の「心の仮説」が有効な対処法のようにも感じている。つまり、神様が創られた「大自然」の一部として、「人間の身体」が存在し、当然のことながら、老いたり、病んだりしながら、死に向かうことが、厳然たる「大自然の摂理」とも言えるわけである。

しかし、一方で、「人間の心や魂」に関しては、「肉体に魂が入った時に、心が生まれる可能性」が想定されるとともに、「輪廻転生」という言葉のとおりに、「魂が永続する可能性」も考えられるのである。別の言葉では、「西洋文明の唯物論的な価値観」においては、「この世における『地位や名誉、あるいは、お金』などの人爵が、最も大切なものである」と理解されていることも見て取れるのである。

そして、これから想定される「東洋文明の唯心論的な価値観」においては、「弘法大師の教え」のように、「天爵」、すなわち、「精神的なレベル」を上げることが、人生の目的となる可能性も考えられるのである。つまり、「人生の四苦八苦」に関しては、「肉眼」から見ると「苦しみ」でありながら、「心眼」から見ると「楽しみ」となる可能性も指摘できるのである。

より詳しく申し上げると、「さまざまな苦悩を経た後に、ようやく到達できる境地」こそが、本当の意味での「悦楽」とも思われるために、昔の人々は、この点に関して、さまざまな「教え」や「物語」などを残したものと思われるのである。具体的には、「ヨーロッパの神話」や「ギリシャ哲学」、あるいは、「旧約聖書や新約聖書」、そして、「仏典」や「現代哲学」などのことである。

そして、現在では、「自由自在に、これらの書物を読むことが可能な状況」でもあるために、今後の展開としては、「人工知能(AI)」や「チャットGPT」などの応用により、「社会科学の次元上昇」、すなわち、「弘法大師などが指摘する精神レベルの上昇」が進展するものと考えられるのである。別の言葉では、「お金や文字の発明」、あるいは、「自然科学の次元上昇」などに関しては、「ライプニッツの予定調和説」のとおりに、「すべてが神の計らいだったのではないか?」と感じており、この点に関して、現在、最も重要なポイントは、やはり、「シュペングラーや村山節が指摘する歴史サイクル」に関して、より深い真理が暴かれる可能性だと感じている。