本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.7.6

金利上昇のインパクト

現在では、日本においても、「金利上昇のインパクト」が危惧され始めたが、この点に関して重要なポイントは、かつて「市井の経済学者」と呼ばれた「高橋亀吉」のコメントだと考えている。具体的には、仮に「3%の金利上昇」を考慮する場合でも、「出発点が5%なのか、それとも、0%なのかで、大きな違いが存在する」というものであり、特に、今回のような「1999年から約24年間も継続した実質的なゼロ金利」や「世界的なマイナス金利」という異常事態を経た後の金利上昇については、前代未聞の規模で、「歪みの是正」や「金融大混乱」を発生させるものと感じている。

そのために、現時点で必要なことは、「金融システム」や「国家財政」の検証であり、実際には、「どの部分に、大きな歪みが発生しているのか?」を理解することである。つまり、「民間の企業や個人における不動産投資」や「民間金融機関の保有するOTCデリバティブ」がもたらす「巨額な損失」であり、また、「中央銀行のバランスシートにおける脆弱性」や「国家財政の行き詰まり」などを理解することである。

より具体的には、「金利上昇がもたらす不動産価格や国債価格の急落」を考えることであり、実際のところ、「今回は、約24年にも及ぶ実質的なゼロ金利により、人々の意識と行動が、大きく変化している状況」とも言えるのである。つまり、「デジタル通貨が、『現代の神様』のような状態となり、きわめて大きな影響力を行使している状況」となっているために、今後は、この点に、きわめて大きな反動が発生するものと考えられるのである。

より詳しく申し上げると、「世界的なOTCデリバティブの破綻」などにより「急激な金利上昇が発生する可能性」を想定しているが、この点については、「今後の日銀の資金繰り」で判断可能なものと感じている。つまり、「1991年のソ連」のように、「国債の買い手が消滅することにより、一挙に、紙幣の増刷に追い込まれる展開」を想定しているが、今回の「違い」としては、やはり、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行可能性」とも言えるようである。

つまり、「金融界の白血病」とも言える「紙幣がコンピューターネットワークの中を流れることができない現実」を避けるために、「紙幣」ではなく、「CBDC」を代替させようとする思惑のことである。ただし、この時の重要なポイントとしては、「お金の重要な役割」である「お金(マネー)と実物資産との交換」に関して、「急激な換物運動を促進させる効果」を意味する「貨幣の流通速度が急上昇する可能性」とも考えている。