本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2023.1.16

異次元金融緩和の後始末

「日銀による異次元の金融緩和政策」に関しては、現在、「政策の破綻」から「後始末の始まり」という段階に移行中の状況、すなわち、「国債の大量買い付けによる超低金利状態の維持」が難しくなるとともに、「国債価格の下落(金利は上昇)が進行中の状態」とも言えるようである。そして、この点については、「バーナンキ元FRB議長」が、以前に指摘したとおりに、「20年ほど前から、日銀が、量的緩和や超低金利政策などの金融政策において、先進国で主導的な役割を果たしてきた状況」であると考えている。

つまり、今後の「異次元金融政策の後始末」に関しても、日銀が先導的な役割を果たすものと考えているが、実際には、「金利の上昇に伴う、日銀の資金繰りの問題」、すなわち、「日銀が赤字に転落した時に、どのような方法で資本注入を実施するのか?」という方法論のことである。具体的には、「1998年に発生した長銀の破たん危機」の時に議論されたように、現在では、「日銀への資金貸付」ではなく、「日銀への資本注入」でしか、問題が解決できない状況とも想定されるのである。

より詳しく申し上げると、「金融システム」の観点からは、「1990年の日本バブル崩壊」で発生した「民間部門の不良債権」が、その後、「民間金融機関」に移行し、現在では、「日銀や政府が保有している状況」となっているのである。つまり、「不良債権問題の先送り」が実施されてきた状況のことであり、実際には、このことが、「日本の失われた30年」の根本的な原因だったものと考えられるのである。

別の言葉では、今まで、「1990年のバブル崩壊までに日本人が貯めてきた預金」などを利用して、壮大な規模での「時間稼ぎ」が実施されてきた状況でもあったが、同時に理解できることは、「日米欧の先進諸国において、未曽有の規模で、デリバティブのバブルが発生した状況」である。つまり、「政府の容認のもとで、民間金融機関が、大量のデリバティブを簿外取引で積み上げた状況」のことでもあるが、この結果として発生した事態は、「大量のデジタル通貨が産み出した超低金利やマイナス金利の状態」だったことも見て取れるのである。

しかし、現在では、「デリバティブの崩壊が引き起こした金融のメルトダウン」が、「実物資産」にまで行きついたことにより、「インフレ率や金利の上昇」、あるいは、「中央銀行と政府の資金繰りを、どのようにして賄うのか?」という問題が発生しており、そのために、今後は、「未曽有の規模での紙幣大増刷」が危惧される状況だと考えている。