本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.11.3

「インフレとは何か?」という問題への40年後の解答

現在、人類全体が問われているのは、「インフレとは何か?」ということであり、この点については、私自身が、40年前の1982年に、米国の大学で受けたマクロ経済学の試験問題が思い出される状況である。つまり、この時の試験問題は、ただこれだけだったが、辛うじてパスした私は、その後、長年にわたり、投資の実践を通じて、この問題を、長く追及せざるを得なかったのである。

別の言葉では、私自身の人生は、「デリバティブ」と「インフレ」の理解が、主な主題だったようにも感じているが、現在では、私なりの解答が見つかるとともに、今後の展開を危惧している状況である。つまり、今後、未曽有の規模での大インフレが発生する可能性を憂慮しているが、この点については、「過去40年間のマネー大膨張」、すなわち、「1971年のニクソンショック」をキッカケに始まった「信用本位制」と呼ぶべき通貨制度と、その後、「1980年代初頭からのデリバティブ大膨張」が大きな意味を持っているものと考えている。

より詳しく申し上げると、「1923年のドイツのハイパーインフレ」から経済用語として使われ始めた「インフレ(通貨価値の下落)」と、「1929年の大恐慌」から経済用語となった「デフレ(通貨価値の上昇)」に関しては、「どのような商品と通貨が、具体的に、どれほどの規模で存在するのか?」の理解が、最も重要なポイントとも思われるのである。つまり、既存の経済学に含まれていない「金融商品」、すなわち、「デリバティブを中心とした商品と通貨の両面性を併せ持つ商品」を理解することである。

また、「1980年代初頭からの約20年間」の状況としては、「実体経済の成長」から「マネー経済の成長」への移行期間であり、また、その後の「2000年から現在までの約20年間」については、「デリバティブの急成長が産み出した大量のデジタル通貨が、金融界のブラックホールを作り出した状況」とも想定されるのである。別の言葉では、経済統計に含まれていない「金融商品」の価格急騰が発生しながら、「生活の必需品」である「一次産品」などは、「政府による価格統制が実施されてきた状況」だったのである。

そのために、これから必要なことは、「先進各国の政府と中央銀行が、どのような決断をするのか?」、すなわち、「資金のひっ迫を補うために、いつ、1923年のドイツ型の政策を実施するのか?」ということでもあるが、一方で、「なにも実施しない場合には、1929年の大恐慌が発生する可能性」が憂慮されるものと考えている。