本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.10.9

問われる宗教とカルト

10月9日に放映された「NHKの心の時代」では、「問われる宗教とカルト」という題名で、たいへん興味深い議論が展開されていたが、特に面白かった意見としては、「恐怖心による搾取と拘束」が挙げられるものと感じている。つまり、「恐怖心の発生要因」としては、「持っているものが失われる不安感」が指摘できるようだが、この時に、今回、指摘された「近景、中景、そして、遠景」が応用できるものと思われるのである。

より詳しく申し上げると、「安心感の欠如」として考えられることは、「仏教の四苦八苦」が指摘する「生老病死」などが主な要因となっており、実際には、「生活苦」や「病気への不安感」、そして、「老後の生活苦」や「死への恐怖心」などが挙げられるようである。そして、この点を、より深く分析すると、新たな景色が見えてくるものと思われるが、具体的には、「次元別の恐怖心が、どのような方法で、人々の肉体的、かつ、精神的な自由を奪うのか?」ということである。

つまり、「近景」が「三次元の世界」、そして、「中景」が「歴史を考慮した四次元の世界」、また、「遠景」が「あの世とこの世の違いを考慮した五次元の世界」だと考えており、この結果として発生する恐怖心にも、いろいろな違いが存在するものと思われるのである。また、「信仰の自由」を奪うことは、「精神的な拘束」であり、また、「お金や時間」を奪うことは、「物質的、あるいは、肉体的な拘束や搾取」のようにも感じられるとともに、「どのようにして、これらの問題を解決するのか?」が理解できた時に、「社会科学の次元上昇」が進展するものと思われるのである。

別の言葉では、「11次元にまで進化した自然科学」の力を借りて、「三次元に留まっている社会科学」の次元上昇を図る行為のことでもあるが、この点に関して、「7月8日に発生した安倍元首相の暗殺事件」は、実に多くの問題点を、現代人に投げかけている状況とも言えるようである。

つまり、この番組で指摘された「現代社会の病理と歪み」が凝縮されている可能性のことだが、実際には、「文明法則史学」が教える「物質文明という西洋的な価値観から、精神文明という東洋的な価値観への移行」が根本的な原因のようにも感じている。具体的には、「お金が現代の神様となり、さまざまな問題を引き起こしている状況」のことでもあるが、今後は、「お金」そのものが、「神から紙への堕落」を経験することにより、人々の精神的なレベルの急上昇に期待している次第である。