本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.4.25

民主主義と専制主義

「ロシアのウクライナへの軍事侵攻」をキッカケにして、「民主主義」対「専制主義」の議論が活発化しているが、この点には、大きな違和感を抱くとともに、より深い分析が必要な状況のようにも感じている。そして、この理由としては、現在、必要なことが、「人類が力を合わせて、環境問題への対応を図ること」であり、「決して、人類同士の戦いを助長することではない」と考えているからである。

別の言葉では、「軍事独裁国家が、なぜ、現在、力を持ち始めたのか?」を考えながら、同時に、「民主主義政治の矛盾点」を理解することでもあるが、実際には、「国民の意識」が、これらの点を考える上で、大きな要因となっているものと感じている。つまり、「経済成長による、より豊かな生活環境」を望み、「国民の代表」である「政治家」を選出するわけだが、この時の問題点は、「国家の財政問題を始めとして、多くの問題が先送りされるとともに、より深刻な事態に発展する状況」とも言えるのである。

より詳しく申し上げると、「重要問題の隠ぺい」、そして、「マスコミの操作」などにより、「大事件の発生まで、時間稼ぎが行われる可能性」が指摘できるが、この点については、「民主主義国家でも、専制主義国家でも、ほとんど違いがない状況」のようにも感じられるのである。つまり、現在の「ロシア」のように「プーチン大統領への支持率が高い状況」については、「他人のふり見て、我がふり直せ」という諺のとおりに、「自分自身の姿を、再度、振り返ってみる必要性があるのではないか?」とも思われるのである。

別の言葉では、「軍事力による専制政治」と「資金力による専制政治」とでも呼ぶべき状況が、世界全体に蔓延っているものと思われるが、この点に関する問題点は、「小さな共同体」から始まった「人間の結び付き、あるいは、組織化」が、その後、「国家という共同体」にまで大膨張した結果として、「人間社会」と「大自然界」との関係性に問題が発生した可能性が指摘できるものと感じている。

つまり、「人間の欲望」が全面的に解放された結果として、「地球の環境問題」が発生した状況のことだが、現在では、「信を用いた結果として創り出された大量のマネー(お金)」に関しても、大きな問題が発生し始めているのである。具体的には、「マネー経済から実体経済への資金流入によるインフレ率の急騰」であり、また、「デジタル通貨の枯渇による金利の上昇」でもあるが、この点については、数か月以内に、世界全体の大問題として急浮上するものと考えている。