本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.4.11

文明の寿命

良寛の作とも言われる、「裏を見せ 表を見せて 散る紅葉」という句には、いろいろな意味が込められているようにも思われるが、私自身が気付かされた点は、「紅葉の寿命が一年、そして、人間の寿命が約100年、また、文明の寿命が約800年」という事実だった。しかも、この時に、「裏と表」が存在することからも、いろいろな学びが得られたが、実際には、現在の「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻」や「デリバティブのバブル崩壊危機」が、「西洋文明の裏面を表す可能性」のことである。

つまり、植物のみならず、人間や文明に関しても、「陰と陽との繰り返しで成長する可能性」が指摘できるとともに、現在が、「西洋の物質文明から東洋の精神文明への大転換期」とも想定されるのである。別の言葉では、「軍事力や資金力による奪い合いの最終局面」であり、また、今回の大事件により、世界中の人々が、「戦争の恐ろしさ」や「人類の醜さ」を見せつけられ、急激な意識面での反動が発生している状況のことである。

より詳しく申し上げると、「西洋と東洋との二重螺旋構造」により、「人類の、物質的、かつ、精神的な発展」が達成されるものと考えているが、現在のような「西洋物質文明の最終段階」、すなわち、「マネーバブルの絶頂期」においては、「1600年前の西ローマ帝国」と同様に、「人々の意識が凝り固まった状態」に陥ったものと想定されるのである。つまり、「目に見えるもの」から「目に見えないもの」に対して「意識」が変化しながらも、「行動」の面においては、「自分が最も大切である」という認識が先行する状況のことである。

より具体的には、現在が、聖書が教える「富に仕える時代」の最終段階であり、この状況は、今までの「約800年間」で増幅されてきたものの、今後は、「西洋文明そのものが、デジタル通貨の消滅とともに、一挙に衰退する可能性」も予想されるのである。そして、その後は、「神に仕える時代」が、「約800年間」にわたり継続する可能性が予想されるが、この時の注目点は、「自然科学と社会学との次元上昇」とも考えられるのである。

つまり、「単純な繰り返し」ではなく、「次元上昇による新たな展開」が予想されるが、実際には、「人類同士の殺し合いや奪い合い」ではなく、「大自然と、どのようにして共生するのか?」が問題視される状況が想定されるようである。別の言葉では、「人間社会」と「大自然界」、そして、「法界(ほっかい)」と呼ばれる「神の世界」との関係性が、より深く理解される可能性であり、また、「聖書の教えるアセンション」のように、「人類の精神面における次元上昇」のことである。