本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2022.3.16

裸の王様とロバの耳

ロシアのプーチン大統領については、現在、「裸の王様」と「王様の耳はロバの耳」という童話や寓話が当てはまる状況のようにも感じているが、実際には、「独裁者の狂気と孤独が入り混じっている可能性」のことである。つまり、「自分が、どれほど愚かな行為を実践しているのか?」に気付かず、また、「周囲からの意見を受け付けなかったものの、時間の経過とともに、徐々に、真理に気付かされている状態」のことである。

そして、結果としては、「21世紀のヒトラー」とでも呼ぶべき末路を迎えるものと考えているが、この点に関して、現在、気になることは、「誰が、真の裸の王様だったのか?」ということであり、また、「ロバの耳を持っていたのは、いったい、誰だったのか?」ということである。別の言葉では、現代版の「王様の権力」として、「軍事力」と「資金力」が当てはまるものと考えているが、「プーチン大統領」については、「軍事力を保持すれば、世界中の人々が自分に従う」というような錯覚を持った状況とも思われるのである。

また、一方の「資金力」については、「現在の西側諸国が、ぴったり当てはまる状況ではないか?」とも感じているが、この点に関して注目すべき事実は、「一人の少年が声を発するまで、ほとんどの国民が、王様が裸である状態に気付かなかった」ということである。そして、このことは、「現在の通貨」が、「コンピューターネットワークの中を流れる、単なる『お金の情報』にすぎない」という事実を物語るとともに、「真実の声が聞こえていない人々は、いったい、誰なのか?」という問題意識を、現代社会に問い掛けている状態とも想定されるのである。

つまり、「神様となったデジタル通貨」だけを信用して、「138億年や46億年の歴史を持つと言われる大宇宙や地球が、どのようなメカニズムで発生し、進化してきたのか?」が、全く無視されている状況のことである。別の言葉では、昔の人々が持っていた「信仰心」が失われるとともに、「お金の奪い合い」に奔走する「現代人」そのものが、「プーチン大統領を産み出した原因の一つだったのではないか?」という可能性である。

より具体的には、「軍事力の支配」については、現在、「誰もが否定する事実」とも思われるが、「資金力の支配」については、「ほとんどの人が気付かない状況」とも考えられるのである。そして、今回の「プーチン大統領」については、「軍事力の戦争が、どれほど悲惨なものであるか?」を、再認識させるとともに、「現代人は、別の形で、裸の王様を敬っているのではないか?」という事実を示唆しているようにも感じられた次第である。