本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.2.8

金融抑圧政策の反動

過去20年あまりの「世界的な超低金利状態」については、人類史上、初めての出来事であり、また、未来永劫に語り継がれる異常事態だったものと思われるが、この理由としては、やはり、「1980年代初頭に誕生し、その後、大膨張を記録したデリバティブの存在」が指摘できるものと考えている。つまり、「1971年のニクソンショック」以降、全く新たな「通貨制度」が誕生し、その結果として、「デジタル通貨」という「単なる数字」が、「主要に取引される本位貨幣」に変化した事態のことである。

より詳しく申し上げると、「お金(マネー)の価格」を表す「金利」については、「マネーの残高が増えると低下し、反対に、マネーの残高が縮小すると上昇する」という性質が存在するが、過去40年あまりは、ご存じのとおりに、「金利の低下」のみならず、「マイナス金利の発生」という「前代未聞の出来事」まで発生したのである。つまり、歴史上においても、きわめて異常な状態となっていたわけだが、実際には、「水茹での蛙」の言葉のとおりに、「徐々に変化した事態については、ほとんどの人々が、抵抗なく受け入れた状況」だったことも見て取れるのである。

別の言葉では、「権力を持った金融当局者が、きわめて異常な金融抑圧政策を実施した」という状況のことだが、「ほとんどの国民は、何の疑問も持たず、政府のコメントを信用した」という展開となったことも理解できるのである。つまり、「大きな歪みや矛盾」が積み重なっていながらも、ほとんどの国民にとっては、「怖いものは見たくない」という心理が働いた状況だったものと思われるのである。

より具体的には、「価格操作による表面的なデフレの演出」に加えて、「マスコミの動員などによる国民意識の操作」などが行われていた可能性のことでもあるが、このような結果として発生した変化が、現在の、「海中に押し込められたビーチボールが、急速に浮上を始めたような状態」とも考えられるのである。つまり、最近の「インフレ率や金利の上昇」については、未曽有の規模の圧力がかかっている状況であり、今後は、より一層の劇的な大変化が発生するものと想定されるのである。

別の言葉では、「紙幣の大増刷」が始まった時に、「換物運動」という「世界中の人々が、一斉に、実物資産に殺到する事態」が想定されるわけだが、この時の注意点は、「デジタル通貨が信用されなくなり、食料品などと交換できない事態」であり、実際には、「第二次世界大戦後の混乱状態」が参考になるものと考えている。