本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.1.15

バブルとインフレとの関係性

過去800年間の「西洋文明」、すなわち、「唯物論が主要な価値観へと移行した時代」を振り返ると、当初の400年間は、「古代物質文明への回帰」という状況だったものの、その後の400年間は、「バブルが多発した時代」だったことも見て取れるようである。つまり、「1630年代に発生したオランダのチューリップバブル」を始めとして、さまざまな「バブル」が発生したことも理解できるが、一方で、20世紀に多発した「ハイパーインフレ」については、「1923年のドイツ」が、「歴史上、初めての、驚くべき物価上昇を記録した状況」だったものと考えられるのである。

別の言葉では、「19世紀の後半から20世紀の前半に設立された世界各国の中央銀行」、そして、「商品と通貨の関係性」が、「ハイパーインフレの発生要因」だったものと思われるが、実際には、「商品価格の異常な上昇」が「バブル」を表すとともに、「バブル発生後のマネー大膨張を収拾する手段」として、「紙幣の大増刷によるハイパーインフレ」が発生したものと考えられるのである。つまり、「中央銀行による最後の手段」は、「大量に発行された国債を、紙幣で返還する」という方法であり、この時に発生する現象は、「実物資産価格の急激、かつ、天文学的な水準への高騰」とも言えるのである。

より詳しく申し上げると、今回の「デリバティブの大膨張」、そして、「20年以上も継続した先進各国の異常な超低金利状態」については、基本的に、「中央銀行の役割」のみならず、「西洋の物質文明」そのものが、「質的な大転換」に迫られている状況を表しているようにも感じられるのである。つまり、「物理学が100年前から経験しているマクロからミクロへの変化」と同様に、「物質文明から精神文明への大転換」が発生している状況とも思われるのである。

別の言葉では、「神から紙への変化」という、「神様となった現代のデジタル通貨」が「単なる紙切れ」に大転換した時に、「人類が強烈なショックを受けるとともに、質的な大変化が発生する可能性」のことである。具体的には、「大リーグで話題となった大谷翔平選手」のように、「個人個人が、自分の実力をフルに発揮する状況」のことでもあるが、このことは、今から1200年前の「弘法大師」が、すでに解明したこととも思われるのである。

より具体的には、「全ての人が、生まれ持った才能を発揮する状況」のことでもあるが、実際には、このことが、私が期待する「自分自身の霊性の目覚め」であり、その結果として発生する事態が、「社会科学の次元上昇」とも言えるようである。