本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.10.11

今後の天皇制

「眞子内親王の結婚問題」については、多くの国民が違和感を覚えるとともに、「秋篠宮家不要論」までもがマスコミで報道される状況となっているが、この点については、歴史を遡りながら、「天皇制の実情」を考える必要性があるようにも感じている。つまり、今から800年前の「承久の変」に起こった大変化を理解しながら、「明治維新以降の日本人」を考えることである。

より具体的には、今からちょうど800年前の「1221年」に、「天皇が武士との争いに負けて、土地などの実権を失った」という、日本の歴史上、きわめて重大な事件が発生した事実である。そして、その後は、明治維新に至るまでの「約650年間」という長期にわたり、「天皇制」は、ほとんど機能していなかったものの、「富国強兵」を目指す新政府の思惑により、「廃仏毀釈」と「新たな天皇制」が始まったことも見て取れるのである。

つまり、「日本人を、どの方向に導くのか?」という点において、「天皇に絶対的な権力を与えた」という状況だったが、結果としては、ご存じのとおりに、「1868年から77年後の1945年に、日本が敗戦を迎え、天皇陛下の権力も失われた」という状況だったのである。別の言葉では、「天皇性の役割が、国民を支配することから、国民に寄り添うこと」に変化したものと思われるが、今回の結婚問題では、「国民の感情を無視してでも、私的な欲望を達成する」という状況となったことも見て取れるのである。

より具体的には、「国民と皇室との対立」とでも呼ぶべき状況となり、このことは、「文明法則史学」が教える「800年の節目」のようにも感じられわけだが、実際には、「800年前と同様に、皇室の役割が激減する可能性」、あるいは、「明治維新以降の歴史を大清算する可能性」も考えられるようである。つまり、今回の事件をきっかけにして、「皇室や宮内庁の存在意義を、日本人全体が考え始めた」という展開のことだが、確かに、「日本人のモラルハザード」という点において、「正直者が損をする」というような事態は、決して、好ましいこととは言えないようである。

ただし、この出来事について、より深い観点から考慮すると、「日本人の膿み出し」に関して、「自民党」のみならず、「皇室」にまで光が当たった状況となっており、このことは、「日本人の新たな出発」に関して、きわめて重要な意味を持っているようにも感じられるが、より興味深い点は、「来年の大河ドラマ」において、「800年前に、どのようなことが起こったのか?」を、詳しく説明してくれる可能性である。