本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.8.11

世界の始まり

キリスト教の「ヨハネの福音書」では「はじめに言葉ありき」と説かれているが、この点を、「仏教」の観点から眺めると、違った姿が見えてくるようにも感じている。つまり、「ビッグバン」と思われる「神の言葉」、すなわち、「光あれ」という波動が発せられる前の状態については、東洋の「空」が当てはまる可能性のことだが、実際には、「ビッグバン」とともに「大自然界」という「目に見える世界」が始まり、この時には、「空」とは違った「物質の有無」が重要な意味を持ち始めたものと考えられるのである。

より具体的には、「ビッグバン」の前の状態が「法界(ほっかい)」という「神の世界」であり、その後、「大自然界」という「大宇宙」や「地球」が産み出され、その後に、「人間社会」が形成されたものと考えられるのである。つまり、「神の精神」と「動物の肉体」を併せ持った「人類」の誕生により、「神の意志」が「人間社会」に反映される仕組みが出来上がったものと思われるのである。

そして、人類は、現在までの「数千年」、あるいは、「数万年」という期間に、急激な成長を見せてきたわけだが、実際には、「分業体制」と「智慧の獲得」により、高度な社会を形成してきた状況のことである。つまり、「貨幣の発明」や「農業の発展」、あるいは、「文字の発明」などのことだが、この時の問題点は、「11次元にまで上昇した自然科学」と「いまだに三次元に留まる社会科学」との格差とも考えられるのである。

別の言葉では、過去数十年間、「現代の神様」となった「デジタル通貨」に惑わされ、「お金儲け」に狂ったために、「人類が、大自然から淘汰され始めた状況」のことでもあるが、実際のところ、現在の「地球温暖化」については、今後、「人類が、地球に生存可能なのか?」という段階にまで進展する可能性も存在するのである。そして、このような状況下では、「デジタル通貨が役に立たなくなる事態」、すなわち、「物価上昇により、現代の通貨が紙切れになる展開」も想定されるのである。

しかし、驚くべき点は、「2021年8月」という時期においても、いまだに、「お金儲け」を「人生の目的」とする人が、世界的にも、多数を占めている状態となっており、「大自然の災害」については、ほとんど気にしていない状況とも言えるのである。つまり、「明治維新」や「第二次世界大戦」の時と同様に、「直後に訪れる大変化に関して、誰も気付かない状況」となっているわけだが、今後の注目点は、やはり、「人類が、どれほどの驚きと変化を見せるのか?」だと感じている。