本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.4.28

金融戦争下の価格統制

1990年代の半ば、「国家の財政危機」と「メガバンク倒産の危機」に瀕した「米国」は、「デリバティブの大膨張により、問題の先送りを図る」という、歴史に残る「重大な決断」をしたものと考えている。つまり、新たな「金融商品」を創り出すことにより、同時に、新たな「デジタル通貨」までも手に入れる方法のことだが、この点については、ご存じのとおりに、「予想以上の大成功」を収めることが可能だったのである。

しかし、どのような出来事にも、必ず、副作用が存在するわけであり、今回は、特に成功の規模が大きかった分だけ、マイナスの反動が大きくなるものと考えている。つまり、「大膨張したマネー経済を、どのようにして元に戻すのか?」という「本当の出口戦略」のことだが、このためには、「過去20年余りの期間に、どのような現象が発生したのか?」を詳しく分析する必要性が存在するものと感じている。

別の言葉では、「デジタル革命」と言われるものの正体を把握することでもあるが、実際には、「コンピューターネットワーク」と「デジタル通貨」の融合により、「マネー経済」を大膨張させるとともに、「借金漬けの国家運営」を常態化させたものと想定されるのである。つまり、「世界中の多くの人々に、過剰な消費行動を推奨する効果」が存在したものと思われるが、この結果として発生した現象が、ご存じのとおりに、「地球の温暖化」であり、また、「新型コロナウイルスの発生」だったものと思われるのである。

しかも、今回は、世界の金融市場において、「大膨張したデジタル通貨」を使い、「価格統制が実施された可能性」も存在するが、実際には、「金利」を中心にして、「株式」や「為替」、そして、「さまざまな商品」の価格が、「政府とメガバンクのコントロール下にあった可能性」が指摘されているのである。つまり、今回の「マネーの大膨張」が、「お金を奪い合う第三次世界大戦だった可能性」のことでもあるが、現在では、多くの人々が述べているように、「1945年の日本」を想起させるような展開となっているのである。

別の言葉では、「金融敗戦が近づいている段階」のことでもあるが、今回は、「明治維新」と「第二次世界大戦の敗戦」を合わせたほどの衝撃が、世界的に発生するものと感じている。つまり、「1600年前に発生した西ローマ帝国の崩壊」が、今回、世界全体で発生する可能性のことだが、今回の救いとしては、「過去の歴史」を調べることが可能なだけではなく、「発展した自然科学の恩恵により、より高度な社会を築ける可能性」だと考えているが、この時の必要条件としては、やはり、「心の謎」の解明のようにも感じている。