本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.4.18

共同体の二面性

動物の世界にも存在する「共同作業」は、「知識の共有と伝達」を可能にした人類により、「共同体(コミュニティー)」の発展につながったものと思われるが、この時に注意すべき点は「共同体の二面性」だと考えている。具体的には、「分業がもたらした生産性の上昇」と「社会の組織化」のことであり、この点に関する正確な分析により、「実体経済の成長」と「マネー経済の成長」が説明可能な状況のようにも感じている。

つまり、「実体経済の成長」については、当然のことながら、「分業」という「高度な共同作業」が必要不可欠な要因でもあるが、「資本主義」が本格的に始まったと言われる「西暦1800年頃からの約200年間」を具体的な数字で分析すると、「世界全体が、高度の分業体制に組み込まれていった状況」が見て取れるのである。別の言葉では、「悪魔のひき臼」という言葉のとおりに、さまざまな規制や常識が壊されるとともに、世界中の人々が、「お金」という「唯一の価値基準」に向かって、まっしぐらに向かっていった展開のことである。

そして、この時に注目すべき点は、「組織化がもたらした闇の部分」であり、実際には、「分業化による人類の盲目化、そして、隷従化」のことであり、実際には、「他人を信用して、仕事を任せる」という行為については、当然のことながら、「他人の仕事に関して、自分が盲目的な状態に陥る」という事実が存在するのである。別の言葉では、「社会の規模が大きくなればなるほど、個人の力が弱くなる状況」のことであり、また、「一人ひとりが、社会の部品に組み込まれていく展開」のことである。

その結果として、「マネー経済の成長」という「ほとんどの国民が知らないうちに、新たなマネーが創られていく状況」が発生するが、この時の問題点は、「マネーの残高が増えている限りは、国民が気付かず、問題が発生しない」という事実である。つまり、「ほとんどの国民」は、「自分のお金がどのような状態になっているのか?」に関して、「問題の発生まで興味を示さない」という傾向が存在するために、「政府」としては、「真実が気付かれないように、極力、努力する」という状況となってしまうのである。

しかし、「信用は一瞬にして崩壊する」という言葉のとおりに、現在では、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」の直後から築き上げられてきた「信用」と「信用を形にしたマネー」の全てが崩壊の危機を迎えており、私自身としては、「今後、どれほどの規模で大インフレが発生するのか?」を心の底から憂慮している状況である。