本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.3.21

後ろ指をさされる人々

戦後の日本人は、「貧しくとも誇りを持っていた人々」であり、基本的には、「後ろ指をさされること」を極端に嫌った状況だったものと思われるが、私自身の経験としても、「親から、このことを厳しく躾けられた状況」だったようにも感じている。別の言葉では、「悪魔に魂を売り渡さない」という「西洋の教え」のとおりに、「お金のためには、どのようなことでも行う」というような「精神的な堕落」を避けてきた人生のことである。

ところが、現在の日本を見ると、「後ろ指を指される人々」が激増した状況とも言えるようだが、実際には、「1990年のバブル崩壊」以降、「不良債権」とともに、「民間企業」から「民間の金融機関」、そして、「政府や官僚」などへと、「悪魔に魂を売ったような人々」が移行した状況のようにも感じている。つまり、「後ろ指を指されるような行為」を実施している人々が、民間企業だけではなく、政府や官僚までにも及び、現在では、「最も優秀で、高貴な地位や身分にある方々」までもが、「人々から蔑みの目で見られているような状況」となっているのである。

そして、このことが、「芹沢光治良氏」が指摘する「世界の膿み出し」の最終段階のようにも思われるが、実際には、「1987年以降、世界全体で、世界の掃除が実施され、人々の意識転換が発生している状況」のことである。つまり、「文明法則史学」が教えるとおりに、「西洋の物質文明」から「東洋の精神文明」への移行期に際して、「大膨張したマネーが既存の価値観を壊している状況」のことであり、現在では、この展開が、いよいよ、最終局面を迎えた状況とも想定されるのである。

より具体的には、「すべての人が悪魔に魂を売り渡した結果として、これ以上売り渡す魂が消滅した可能性」のことでもあるが、このような状況下で必要なことは、「キリストの教え」である「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、この女に、まず石を投げなさい」という言葉のようにも感じている。つまり、現在、必要とされていることは、「過去800年間、世界中の人々が、お金の魔力に惑わされ、地球環境を破壊するほどの行為を実施した」という事態を反省することとも想定されるのである。

別の言葉では、「戦争の愚かさ」を理解するとともに、「軍事費」をゼロにすることにより、「世界全体が、地球と共生できる技術開発にまい進し始める展開」のことでもあるが、現在の状況を考え見ると、このような理想の状態が実現されるまでには、まだ、いろいろな紆余曲折が存在する状況とも言えるようである。