本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.7.15

姿を現し始めた「インフレの大津波」

過去数年間の「世界的な金融情勢」を振り返ると、「2008年のリーマンショック」が、実際には、「金融の大地震」に相当し、その後の、「量的緩和」や「マイナス金利」については、「インフレの大津波が、水面下で進行していた状況」のようにも感じている。つまり、自然現象の「大津波」については、「3・11の大震災」からも明らかなように、「地震の発生後、数時間で大津波が襲った」という状況だったが、一方で、「インフレの大津波」については、「実際に姿を現すまでに、数年間という時間が必要だった」ようにも思われるのである。

しかも、自然現象の「大津波」については、「波の速さと高さ」に関して、「最初は、早いスピードで移行するものの、陸地に近付くにつれてスピードが緩む」、また、「波の高さは、高くなったり、低くなったりする状況」も説明されている。そして、「陸地に近付いた時に、引き潮のような状態が発生し、その後、急激に高波が押し寄せる」とも言われているが、この点を、「インフレの大津波」に当てはめると、現在の「マイナス金利」は、まさに、「インフレの大津波」が押し寄せる前の「引き潮」のようにも感じられるのである。

別の言葉では、「人類史上、初めての経験」とも言える、現在の「世界的なマイナス金利」については、「どのような理論をもってしても説明がつかない状況」であり、実際には、「1971年のニクソンショック」以降、「どれほどの金融資産が生み出され、そして、その資産が、現在、どのような状態となっているのか?」を、深く考えない限り、理解できない状況とも想定されるのである。

そのために、私自身としては、過去40年間、この点を考え続けてきたが、現在では、全ての出来事が繋がりを見せるとともに、すでに始まった「貴金属」や「株式」の価格上昇が、「沖に見え始めた津波」のようにも感じられるのである。つまり、今後は、「株式」や「商品」、あるいは、「土地」などの「実物資産」に関して、価格上昇のスピードが速まる可能性を考慮しているが、同時に、「国債価格の暴落」が始まった時には、「世界の中央銀行が、大量に、紙幣の増刷を始める状況」も想定されるのである。

そして、このことが、「ギャロッピング・インフレ」を意味しており、その後、「約6か月間のハイパーインフレ」に移行するものと考えているが、この点については、「過去と未来が交錯する日」である「8月21日」までに、「結論が出るのではないか?」とも考えている。