本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.10.10

30倍の衝撃

「2023年8月15日」から始まった「世界的な金融混乱」は、今後、「26年前の1997年」と比較して、「約30倍の衝撃」を、世界にもたらすものと考えているが、その理由としては、金融混乱の発生までに積みあがった「不良債権の額」に違いが存在するからである。つまり、「1997年8月の信用収縮」に関しては、実際のところ、「日本の土地と株式のバブル崩壊」で発生した「約300兆円の不良債権」が、最後の段階で、「民間金融機関で支えられなくなったのではないか?」とも考えられたのである。

別の言葉では、「コントロール不能な国家の財政赤字」がもたらす「ハイパーインフレ」までもが危惧された状況でもあったが、実際には、「米国を中心とした、民間金融機関のオフバランスにおけるデリバティブの大膨張」により、再度、「世界的なバブルの発生」へとつながったのである。つまり、「民間金融機関のバランスシート大膨張により、デリバティブという新たな商品とデジタル通貨の急増」という状況のことである。

より詳しく申し上げると、「日本のバブルと比較して、約30倍の規模で、新たなバブルが発生した状況」であり、また、このバブルの崩壊を意味するのが、「金融界の大地震」ともいえる「2008年前後のGFC(世界的な金融大混乱」だったのである。そして、その後の展開としては、「世界的なQE(量的緩和)」、すなわち、「民間金融機関で発生した不良債権を中央銀行が肩代わりしようとした状況」でもあったが、現在の状況としては、「目に見えない金融ツインタワー」である「約600兆ドルのOTCデリバティブ」と「約330兆ドルの世界債務残高」が残った状況ともいえるのである。

その結果として、最近、世界的に危惧され始めたことは、「金利上昇による債券価格の暴落」が、「デリバティブの担保となっている米国債」に関して「担保不足の問題」を発生させ始めた可能性ともいわれているのである。つまり、現在は、「目に見えない金融ツインタワー」の両方が、音を立てて崩れ始めた状況であり、その結果として、これから予想される衝撃に関して、世界的な関心が集まり始めたものと思われるのである。

そして、具体的に危惧されることとしては、「メガバンクの連鎖破綻」などが指摘できるが、この時に中央銀行が取れる方法は、やはり、「債務の貨幣化」である「財政ファイナンス」、すなわち、「1991年のソ連」などと同様に、「大量の紙幣を増刷する行為」であり、現在の「一時的な量的縮小(QT)」 は、「何らかの大事件の発生」、そして、その後の本格的な「紙幣の大増刷」を待っている状況とも考えられるようである。