本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.9.11

隠蔽され続けた不都合な真実

今回の「ジャニーズの問題」については、「隠蔽され続けた真実が暴露されたときに、どのようなことが起こるのか?」を如実に表している現象であるとともに、現時点で、我々が必要なことは、「その他に、どのような真実が隠蔽され続けているのか?」を考えることともいえるようである。別の言葉では、「権力者に忖度しがちなマスコミの報道よりも、ユーチューブなどによる報道が、今後、より重要な役割を持つ可能性」を考慮することでもあるが、想定される具体的な問題としては、「世界的に増え続ける国家の借金が、今後、どのような結末を迎えるのか?」が指摘できるものと考えている。

より具体的に申し上げると、現在の経済報道に関しては、「お釈迦さまの言葉」のとおりに、「目の見えない人々が象の身体を触りながら、勝手な意見を述べている状況」、すなわち、「ある人は胴体を触りながら、『象というのは壁のようなものだ』と述べ、また、別の人は足を触りながら、『象の身体は柱のようなものだ』などと述べている状況」のようにも思われるのである。つまり、全体像が見えないために、個々人が、勝手な意見を述べ合いながら、論争を繰り返している状況ともいえるが、このような状態については、冒頭の「ジャニーズ問題」と同様に、「当事者が事実を認めず、また、ファンの人々が応援し続ける限り、既得権を持つ人々にとって都合の良い状態」だったものと考えられるのである。

そして、現在の「国家の債務問題」についても、「どれだけ国家の借金が増え続けようとも、国家や中央銀行の資金繰りに問題が発生しない限り、ほとんどの国民が、問題の存在に気付かない状況」となっているのである。つまり、「外部からの指摘」や「円安、あるいは、金利高騰などの問題」が発生しない限り、「借金の残高が増え続けている状態」だったことも見て取れるのである。

より詳しく申し上げると、「1980年代初頭から、約40年間にわたり、世界的な金利低下が継続した状況」だったわけだが、この理由としては、「デリバティブの膨張に伴い、金利やインフレ率が人為的に押し下げられた状態」だった点も指摘できるのである。別の言葉では、「ビーチボールが力任せに海中に押し込められた状態」だったものの、現在では、水面上に飛び上がり始めた段階となっており、そのために、今後は、「国家の借金に関する不都合な真実が暴露されることにより、世界中の人々が騒ぎ始めるとともに、自己防衛に走り出す展開」も想定されるのである。つまり、「劇場の火事」に例えられる「ボトルネック・インフレ」の発生であり、実際には、「デジタル通貨を、慌てて、実物資産へ移行させようとする動き」のことである。