本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.6.13

共産主義国家の実情

現在の「ロシア」や「中国」などを見ると、「共産主義国家とは、いったい、どのような役割を持っていたのか?」という疑問を持たざるを得ない状況でもあるが、実際には、「資本主義の崩壊後に共産主義の時代が訪れる」というような「妄想」、あるいは、「誤解」を基に築かれた「軍事力を背景にした帝国主義的な資本主義国家」だったようにも感じている。つまり、「西暦1800年前後から始まった資本主義」に関して、「最後の段階で、資本主義社会の仲間入りを果たした状況」でありながら、現在では、「共産主義の語源であるコミュニティーそのものを崩壊させようとしている状況」のことである。

より詳しく申し上げると、現在の「新たな冷戦構造」については、「2010年前後にピークを迎えたグローバル共同体を崩壊させる役目」を果たすとともに、「2022年から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻」については、「同一民族同士の戦い」というように、「国家共同体を、更なる分裂に導く役割」を持っているようにも感じられるのである。別の言葉では、「共同体の規模縮小」に関して、いろいろな役割を持っている状況とも思われるが、この事実から導かれる「今後の注目点」としては、「資本主義」を象徴する「貨幣」の崩壊が、「共産主義国家を、これから、どのような方向に導いていくのか?」だと考えている。

より具体的には、今後の問題として、「資本力を背景にした軍事力が、今後、どの方向に向かうのか?」という点が指摘できるが、実際には、「他国への侵略」ではなく、「国内の争乱」を引き起こす可能性が憂慮される状況とも感じられるのである。つまり、「世界的な信用消滅がもたらすハイパーインフレ」により、「先進各国のみならず、中国やロシアまでもが、未曽有の金融混乱に巻き込まれる可能性」であり、このような状況下では、「軍事力が国家を分裂させる役割を持つ可能性」が危惧される状況のようにも思われるのである。

より具体的には、「1600年前の西ローマ帝国」と同様に、「法治国家の象徴だったローマ法などが使われなくなるような展開」を見せる可能性であり、また、「数多くの小さな共同体に分裂した社会で、徳治国家が展開される可能性」のことである。つまり、「唯物論を基にした西洋文明」から「唯心論を基にした東洋文明」への移行の始まりであり、この時に、最も重要な役割を果たすのが、やはり、「共同体の規模」、そして、「マネーの残高」のようにも感じられるのである。また、同時に考えなければいけない事実は、やはり、「11次元にまで進化した自然科学が、三次元に留まっている社会科学に対して、きわめて大きな影響力を行使する可能性」とも言えるようである。