本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.5.13

ジャニーズの闇

最近、「ジャニーズの闇」が、盛んにマスコミで取り上げられ始めたが、この点については、「現代社会の縮図」であるとともに、「ジャニーズバブルの崩壊」を表している状況のようにも感じている。つまり、今までは、「お金儲けのためなら、どのようなことでも許されるような雰囲気」であり、また、「取り巻きが絶対権力者に忖度して、不都合な真実を隠蔽する体質」だったものと理解できるのである。

別の言葉では、「組織内での出世のために、権力者に取り入る必要性が存在する可能性」のことでもあるが、この点については、「複雑系」が指摘する「組織の秩序化と崩壊」が当てはまる状況とも言えるようである。つまり、どのような組織、あるいは、文明においても、前半の発展期は、「秩序だった成長」という特徴が存在するものの、後半の崩壊期においては、「腐敗や形骸化」という特徴に変化する状況のことである。

より詳しく申し上げると、「戦後の日本」では、最初に、「実体経済の成長」という時期が存在し、この時には、「実力者が組織の長となる傾向」が存在したものの、その後、「経済の金融化」の期間では、「外交よりも内交」、あるいは、「舌平目という名の上司の動向だけを気にする社員の増加」というような特徴が見られたのである。つまり、「日本における組織の弱体化」が進展したわけだが、この点については、「明治維新以降の軍事的な社会」においても、同様の状況だったものと考えている。

このように、今回の「ジャニーズに関する報道」については、「単なるスキャンダル」ではなく、「時代の転換期」を象徴する意味合いを持っている状況のようにも思われるが、今後の注目点としては、今までの「熱狂的なファン」が、今後、どのような変化を見せるのかだと感じている。つまり、「愛情」や「尊敬」などの想いが、今後、どのような変化を見せるのかということでもあるが、実際には、この点が、「マネーの消滅」にも応用が可能な状況のようにも思われるのである。

具体的には、私が想定する「神から紙への変化」、すなわち、「神様と崇められていたデジタル通貨が、間もなく、単なる紙屑へと変化する可能性」に関して、今回の「ジャニーズの闇」が参考になる可能性のことである。別の言葉では、「バブルの崩壊後に、マスコミが一斉にバブルを攻撃する態度」が、今回も繰り返される可能性に注目している状況でもあるが、これから必要とされることは、「ジャニーズ」のみならず、「日本の金融政策」においても、「当事者が、素直に実情を暴露する態度」とも言えるようである。