本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.4.17

CBDCの問題点

現在は、「デリバティブ」と「世界債務」に関する「目に見えない金融ツインタワー」が、ガラガラと音を立てて崩壊を始めている状況であり、今後の数か月間は、更なる金融破たんが続出するものと考えている。そして、このことを察知した「先進各国の中央銀行」は、「BIS(国際決済銀行)」と協調して、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行」を目論んでいるようだが、前途は、きわめて多難な状況とも言えるようである。

つまり、「中国」や「ロシア」などは、以前から、「デリバティブに頼りすぎていた先進各国の金融システムの脆さ」に気付くとともに、「金(ゴールド)の購入」に力を注いでいた状況だったのである。そして、最近では、「BRICS」と呼ばれる「ブラジル、ロシア、インド、中国、そして、南アフリカ」の国々が、「サウジアラビア」を巻き込んで、「西側諸国へ対抗できる経済連合体」の強化を図っている状況とも言われているのである。

より具体的には、「人民元をドルに代わる基軸通貨にしようとする目論見」が想定されている可能性のことだが、この点については、大きな注意が必要なものと考えている。具体的には、前述の「金融ツインタワー」に関して、「どのような経緯で出来上がったのか?」を考えると、実際には、「ロシアや中国などが、グローバル共同体へ参加した事実」が指摘できるとともに、今後は、その反動として、「デリバティブと世界債務の完全崩壊」も視野に入ったものと想定されるのである。

別の言葉では、「お金の根本」である「信用」については、「共同体の規模」が基本であり、今までは、「西ローマ帝国の崩壊」以降、「約1600年」という時間をかけて、現在の「金融ツインタワーの形成」へと繋がったことも見て取れるのである。そのために、現在の「世界的な分裂状態」については、「シュペングラー」が、100年前から指摘していたとおりに、「世界の貨幣を破壊する効果」が存在するとともに、「唯物論を基本にした西洋文明」そのものの終焉を意味するようにも感じられるのである。

より詳しく申し上げると、「成長のフロンティア」が、「物質的なものから精神的なものへと移行を始めている可能性」でもあるが、この点については、現在の「量子力学」が象徴的な存在とも言えるようである。つまり、「デジタル的な分析からアナログ的な分析への移行」であり、実際には、「時間と空間との関係性」に関して、以前の「物理学」と同様に、「4次元から5次元、あるいは、それ以上の次元にまで高まっていく展開」のことでもあるが、この時にキッカケとなるのが、今後の「マネーの消滅」のようにも感じている。