本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.2.13

金融ツインタワーのパンケーキクラッシュ

「2月に発生する出来事」については、「2001年のゑひめ丸事件」や「2022年のロシアによるウクライナへの軍事侵攻」などのように、「その年を象徴するような事件の発生」が見られる傾向が多くなるが、この点については、今年も例外ではないものと感じている。具体的には、「2月5日に発生したスパイ気球の撃墜事件」であり、また、「2月6日に発生したトルコとシリア国境の大地震」のことだが、今回、特に気になったのが、「大地震において、多くのビルが、パンケーキクラッシュに見舞われた事実」だった。

つまり、私自身が想定する「戦後の26年サイクル」、すなわち、「2023年の8月15日までに、どのような金融混乱が発生するのか?」に関して、現在では、若干、違った展開が見えてきた状況のようにも思われるのである。具体的には、「デリバティブと世界債務の金融ツインタワー」において、今回の大地震のように、「世界各地で、金融機関がパンケーキクラッシュに見舞われる可能性」であり、実際には、2月に発生した「クレディスイスの巨額損失」や「暗号資産の価格急減」などのように、「今年の8月に向けて、さまざまな大事件が世界的に頻発する可能性」のことである。

別の言葉では、「コンピューターネットワーク」で繋がっている「現在の世界的な金融システム」に関して、「連鎖的な破たん」に見舞われる可能性であり、この結果として予想される「金融政策の変更」としては、結局のところ、「中央銀行による大量の資金供給」とも思われるのである。具体的には、「中央銀行のデジタル通貨(CBDC)」や「紙幣」などの大量供給により、「危機に陥った金融機関を救済する方法」のことでもあるが、この結果として発生する現象は、やはり、「政府や中央銀行、そして、通貨に対する国民の信頼喪失」とも考えられるのである。

そして、このような動きについては、すでに、世界の各地で始まっているものと思われるが、具体的には、「アフリカや中南米の国々で、預金の取り付け騒ぎなどが発生している状況」のことであり、また、「先進各国においても、金融システムや通貨制度への不安感が高まっている状況」のことである。

そのために、これから必要とされることは、「日本だけが、超低金利の状態から抜け出せていない事実」を認識しながら、「20年以上にも及ぶゼロ金利政策」、そして、「40年以上にも及んだ金利低下」の反転が、「今後、どれほどの反動を生み出すのか?」を、深く考慮することだと考えている。