本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.11.30

2022年を振り返って

2022年の特徴としては、「世界的なインフレ率や金利の上昇」に加えて、「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻」に象徴されるように、「軍事独裁色を帯びる東側諸国」と「民主主義を標榜する西側諸国」との対立構造の復活が指摘できるものと考えている。別の言葉では、「文明法則史学」が教える「東西文明の交代」、すなわち、「西洋の物質文明」から「東洋の精神文明」への移行が、「尊皇派と攘夷派が争っているうちに、気が付いたら、幕府そのものが崩壊していた」というような展開を繰り広げた「日本の明治維新」の時のような状況となっている可能性のことである。

より詳しく申し上げると、「マネーの大膨張」により進展してきた「グローバリズム(世界共同体)」に関して、「2022年」が、大きな転機となった年のようにも感じているが、実際には、「デリバティブの大膨張」がもたらした「西洋諸国の超低金利政策」に関して、「かつての共産諸国が、軍事的な反抗を模索した可能性」のことである。つまり、「ロシア」が、「中国」などの国々と共謀して、「西洋諸国の力の源泉」とも言える「デリバティブのバブル」を崩壊させようとした状況のようにも思われるのである。

より具体的には、「約500兆ドル(約7京円)のOTC金利デリバティブ」と「約330兆ドル(約4.6京円)の世界的債務残高」という「金融ツインタワー」を、全面的に崩壊させるとともに、その後、「金(ゴールド)を中心にした新たな通貨制度」を模索した可能性である。そして、この点に関して、きわめて興味深かった事実は、「暦のフラクタル」であり、実際には、「2月24日に発生したウクライナへの軍事侵攻」に匹敵する「11月9日」に、「FTXの破綻」が発生した状況だと感じている。

つまり、「2001年の9・11事件」が暗示する「1945年から77年後の2022年11月に、目に見えない金融ツインタワーが崩壊を始める可能性」のことであり、この点については、ほぼ想定どおりの展開となったことも見て取れるのである。

そのために、これから注意すべき点は、「1971年から始まった信用本位制と呼ぶべき通貨制度の崩壊」であり、実際には、世界の中央銀行が「紙幣の増刷」を実施した時に、「金融界の白血病」とも言える「紙幣がコンピューターネットワークを流れることができない状況」が発生する可能性である。別の言葉では、「神様」となった「現代のデジタル通貨」が、あっという間に、「紙切れ」に変化する状況のことであり、このことが、「2023年に、最も注目すべきポイントの一つ」だと考えている。