本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.11.1

金融ツインタワーの崩壊

「2001年の9・11事件」では、「目に見える金融ツインタワー」がテロ攻撃により崩壊したが、その21年後の現在では、「目に見えない金融ツインタワー」が、崩壊寸前の状況のようにも感じている。具体的には、「約330兆ドル(約5京円)もの世界債務」と「約500兆ドル(約7.3京円)ものOTC金利デリバティブ」のことであり、実際のところ、「過去20年あまりの世界的な超低金利状態は、これらの金融ツインタワーによって支えられてきた」という状況だったのである。

別の言葉では、「1971年のニクソンショック」以降、私が提唱する「信用本位制」という通貨制度のもとで、「人類史上、未曽有の規模でのマネー大膨張が発生した状況」のことでもあるが、現在では、「世界的なインフレ率と金利の上昇により、史上最大のバブル崩壊が発生する可能性」が危惧されているのである。つまり、今回の「世界的な金融大混乱」については、既存の経済学では、全く説明がつかず、新たな理論が求められているものの、「日銀を始めとした先進各国の金融当局者」は、必死に、問題の先送りと時間稼ぎを図っている状況とも理解できるのである。

そして、結果としては、「バブルの崩壊が遅れれば遅れるほど、崩壊後の被害が大きくなる事態」も予想されるが、この点については、過去の歴史が教えるとおりに、「権力者は、最後の最後まで、ありとあらゆる手段を行使する状況」とも言えるようである。つまり、現在の「ロシア」などと同様に、「独裁者は、国民のことなど顧みずに、自分の地位や名誉、そして、利益だけに固執しがちである」ということが「どのような歴史でも繰り返されがちな事実」とも理解できるのである。

ただし、この点について、「西洋哲学」では、「ライプニッツの予定調和説」などを中心にして、以前から、「神の計画」が認識されていたようだが、実際には、「目の前の混乱についても、結局は、その後の、人類の進化や創造にとって、必要な出来事だった可能性」のことである。つまり、「11次元にまで進化した自然科学」と「3次元にとどまっている社会科学」に関して、「現在の出来事は、必要悪とも言える状況ではないか?」と理解されている可能性のことである。

より具体的には、「量子のもつれ」が示唆するように、「此岸(現実世界)と彼岸(あの世)との関係性」に関して、「何らかの力が働き、制御されている可能性」、すなわち、「天の網が廻らされ、より大きな神の手が働いている可能性」のことである。