本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.10.26

感覚と感情の対比

シュペングラー著の「西洋の没落」では、「感覚と感情の対比」が説明されているが、このことは、「魂と世界の対比」と同様に、「肉体と精神との関係性」、あるいは、「ビッグバン以前の世界とその後の世界との関係性」を表しているようにも感じている。つまり、「仏教」が教える「法界」が、「ビッグバン以前の世界」、そして、「大自然界や人間社会」が、「ビッグバン以降の世界」を表しているものと思われるのである。

そして、「感覚」については「肉体が、外界から受け取る刺激」、そして、「感情」については、「感覚を持った時に、精神や魂に沸き起こる刺激」を意味しているものと考えている。別の言葉では、「人間社会」において、「言語」が「人々のコミュニケーション」の手段であるように、「感情」や「霊感」については、「法界」と「大自然界や人間社会」のコミュニケーションの手段である可能性のことである。

より詳しく申し上げると、「時間と空間の関係性」に関して、シュペングラーは、「時間は空間を生み出し、空間は時間を殺す」と述べているが、実際には、「未来にしか向かわない時間」の作用として、「空間における秩序の形成と崩壊」が指摘できるものと思われるのである。つまり、「過去数千年の人類史」や「過去数十億年における地球形成の歴史」については、基本的に、「ライプニッツの予定調和説」のとおりに、「より完全な形への進化」が進展している状況のようにも考えている。

より具体的には、「西洋と東洋の文明交代」が繰り返されることにより、「大自然の仕組み」を解明する「自然科学」のみならず、「人間社会の仕組み」を解明する「社会科学」が発展する状況のことである。そして、この時には、「株式などの相場」と同様に、「山や谷などの波動」が発生することにより、「感覚が感情を呼び起こす作用」、すなわち、「人間社会と法界と関係性が認識され、理解される状況」が起こるものと想定されるのである。

別の言葉では、「般若心経」が教える「神の智慧に到達する方法」のことでもあるが、実際には、「色」という「現実」を見ることにより、「受」、「想」、「行」、そして、「識」という順番で、「理想社会」への認識や理解が深まる展開のことである。つまり、「エジソン」が教える「99%の汗(パースピレーション)」が「現実世界における苦悩」であり、その結果として、「1%の霊感(インスピレーション)」という「天や神の智慧」が得られる状況のことであり、このことが、冒頭に示された「感覚と感情の対比」が意味することのようにも感じている。