本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.5.6

人類の脅威となったプーチン大統領

ロシアの「プーチン大統領」は、現在、「核兵器を使用した第三次世界大戦」までをも示唆することにより、「人類の脅威」となったものと考えているが、現時点で必要なことは、「決して、過剰な恐怖心を抱かないこと」であり、また、「なぜ、このようなことが起こったのか?」という原因解明に注力することだと考えている。つまり、決して、「次のプーチン大統領」を産み出すべきではなく、反対に、「二度と、今回のような惨事が繰り返されないこと」に力を注ぐべきだと思われるのである。

そして、「なぜ、プーチン大統領が人類の脅威となったのか?」については、やはり、「西洋文明の唯物論」が、大きな役割を果たしたものと思われるが、実際には、「目に見えるもの」、すなわち、「地位や名誉、そして、お金」などの「人間の爵位」が基本的な価値観となった状況のことである。別の言葉では、「この世が全てであり、あの世などは存在しない」と考える人が増えた結果として、「資金力や軍事力などの権力を握ることが最も重要なことである」と錯覚されたものと思われるのである。

つまり、「時代錯誤の帝国主義」が、「21世紀の現在において、再び、具現化した状況」となったわけだが、この点については、「地球環境の悪化」と同様に、「人類の生存を脅かす大事件」とも言えるようである。より具体的には、「人類が核戦争で滅ぶのか、それとも、環境悪化によって滅ぶのか?」という選択を、現在、人類が迫られている状況のようにも感じられるのである。

そのために、現時点で必要なことは、「歴史を遡り、過去の事例に学ぶこと」だと考えているが、実際には、「文明法則史学」が教える状況、すなわち、「1600年前の西ローマ帝国崩壊時に、どのようなことが起こったのか?」を、深く分析することである。つまり、「軍事力により巨大な権力を獲得した西ローマ帝国」は、その後、「経済の金融化」や「精神面の堕落」などにより、「パンとサーカスの生活」を送った後、「インフレと財政赤字で、短期間のうちに滅んだ」という状況だったのである。

しかも、このことは、「今から1600年前」というように、「きわめて正確な『時間のサイクル』で示されている事実」とも思われるが、この法則から推測される「今後の展開」としては、やはり、「東西文明の大転換」であり、実際には、「大インフレが導く唯物論から唯心論への移行」、すなわち、「精神面でのレベル向上」という「天の爵位」を求める動きが活発化する事態だと考えている。