本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.10.3

崩壊を始めた金融のツインタワー

現在は、「金融面の9・11事件」が発生しているものと感じているが、具体的には、「デリバティブ」と「債券や不動産担保証券など」の「目に見えない金融ツィンタワー」が崩壊する可能性である。つまり、「数京円規模の残高が積み上がっている状況」でありながら、一方で、「さまざまな事件の発生が、当時のジェット機のような役割を果たしている可能性」のことだが、実際のところ、「9・11のテロ事件」では、「4機のジェット機がハイジャックされ、金融ツィンタワーやペンタゴンに突撃した」という状況だったのである。

そして、現在は、「中国の恒大集団危機」や「中国政府による仮想通貨禁止命令」、あるいは、「米国の債務上限問題やテーパリングの開始」などが、さまざまな面から、金融ツインタワーを崩壊させる動きとなっているようにも思われるのである。別の言葉では、20年以上も継続した「世界的な超低金利状態」、あるいは、「デジタル通貨が産み出した金融界のブラックホール」が、いよいよ、大転換の時期を迎えた可能性のことである。

つまり、「1600年に一度の西洋から東洋への文明移転」が始まった可能性でもあるが、実際のところ、われわれ日本人にとっては、「明治維新」と「第二次世界大戦の敗戦」が合わさったほどの衝撃が到来するものと考えている。具体的には、現在の「デジタル通貨」が、「浦島太郎の玉手箱」のように、「ほぼ瞬間的に蒸発する可能性」が危惧されるが、現時点では、私以外に、誰も、この点に言及していないのである。

そして、このことは、「ブラックエレファント」という「ほとんどの人が無視し続けてきた大問題」であり、間もなく、実際の事件として発生する時期が近付いているものと考えている。具体的には、「金利が上昇した時に、世界各国の中央銀行は、どのような対応を取るのか?」という点だが、現在では、大量に存在する「世界のマネー」が、小さな規模の「実体経済」に流れ始めた結果として、「世界的な商品価格の高騰が、いわゆる『もぐら叩き』のような状況で発生している状況」となっており、今後の注目点は、「この問題を、どのようにして処理するのか?」ということである。

つまり、「本格的なインフレの到来に、どのように対応するのか?」ということでもあるが、現在は、まさに、「ギャロッピング・インフレ」や「ハイパーインフレ」という「国家財政破綻が引き起こす通貨への信頼喪失」を意味しており、しかも、この動きは、「2023年8月頃」に終了するものと考えているが、現時点で必要なことは、やはり、「貴金属や食料などを買い集めて、最悪の事態に備えること」だと感じている。