本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.7.1

世界の構造と仕組み

数学者の「岡潔博士(1901年-1978年)」は、「世界は法界(ほっかい)、自然界、そして、社会から成り立っている」と理解していたようだ。つまり、「神の意志も包摂した大宇宙」が「法界」を表し、また、その中に浮かぶ「地球」が「自然界」、そして、「地球に住む人類が、コミュニケーションや絆などで結びついている状態」が「人間社会」とも考えられるのである。

別の言葉では、「約138億年の歴史を持つ大宇宙」や「約46億年と言われる地球の歴史」、そして、「わずか数万年にすぎない人類社会」に関して、「法界と人間社会を結びつける仕組み」、すなわち、「神の意識が人間社会に伝わる仕組み」が存在するものと思われるのである。そのために、現在では、いろいろな有識者が、「量子力学」などを参考にしながら、「目に見えない世界」を研究し始めた状況とも想定されるのである。

より具体的には、「ライプニッツ(1646年-1716年)の予定調和」のように、「世界の歴史は、神の計らいのとおりに進展している」、そして、「今後は、量子力学と認知言語学などの応用により、より高度な智慧の獲得が可能である」という理解のことである。つまり、現在の「統計学」については、「100年程度の歴史しか持たず、また、きわめて限られた世界しか対象となっていない状況」のために、「経済学」のみならず、「自然科学」においても、不信感が生まれている状態とも想定されるのである。

そのために、現在では、「ユングの心理学」などのように、「世界全体は、いったい、どのような成り立ちとなっているのか?」、あるいは、「人間の心とは、いったい、どのようなものなのか?」を考える人々が増えている状況のことである。別の言葉では、「マネーの大膨張」によって結び付けられている「人間社会の現状」を憂いている人々が、「仏教」や「哲学」などを、改めて研究し始めた状況のことである。

そして、このことが、「西洋から東洋への文明移行」を象徴する出来事の一つとも考えているが、この点に関して、興味深い事実は、「100年ほど前から、すでに、いろいろな兆候が出ていた事実」のことである。つまり、「神は死んだ」という言葉で有名な「ニーチェ」の時代において、すでに、「神の意志」などの知識を必要とする「ユングの心理学」や「量子力学」などが理解され始めた状況のことでもあるが、この点に関して残念な事実は、やはり、「現在の経済学が、いまだに、天動説のレベルにとどまっている状況」とも言えるようである。