本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.2.13

自然科学と社会科学

現在の「最大の問題点」は、「自然科学と社会科学の発展のズレ」にあるものと考えているが、実際には、「重力の発見」以降、飛躍的に発展した「自然科学」に対して、「人間社会の法則」を解明する「社会科学」の解明が遅れている状況のことである。具体的には、「お金の謎」が解けていないために、既存の「経済学」が、全く実践の役に立たない状態のことでもあるが、この理由としては、「デカルト」から始まった「近代哲学」に関して、「1800年頃から、誤った展開となった可能性」が指摘できるようにも感じている。

つまり、「社会科学」の基本は、「心の謎」を解明することにあり、実際のところ、「古代のギリシャ哲学」や「東洋の仏教」などが最も興味を持っていたのが、「人間とは、いったい、何なのか?」、あるいは、「心とは、いったい、どのようなものなのか?」ということだったのである。別の言葉では、「人類史上、最古で最大の難問」が、「心の謎を解くこと」とも考えているが、この時の問題点は、「産業革命以降、哲学から経済学への移行」が始まった状況のようにも思われるのである。

具体的には、「アダム・スミス(1723年-1790年)」から「ヘーゲル(1770年-1831年)」、そして、「マルクス(1818年-1883年)」の期間において、いつの間にか、「心の謎」を解明する努力が消滅してしまった状況のようにも感じられるのである。そして、「宗教はアヘンである」、あるいは、「神は死んだ」などの言葉に代表されるように、「人類は、富を求めて、自然破壊だけではなく、同朋の殺害までをも平気で行う人種」となったようにも思われるのである。

つまり、「悪魔のひき臼」により、「人々の人間性や精神性が、完全に崩壊した可能性」のことでもあるが、今後の展開としては、「人類全体が、地球環境と共生できる社会の発展」に向かわない限り、「人類が、地球から淘汰される可能性」が高まっている状況のようにも感じている。別の言葉では、「SDGs」と呼ばれる「持続可能な開発目標」の本質は、「社会科学の発展」、すなわち、「心の謎」の解明にあるものと考えているが、この点に関して、大きな役割を果たすのが、やはり、「神から紙への大転換」とも言えるようである。

具体的には、現代の神様となった「デジタル通貨」が、ほぼ瞬間的に、「紙のお札」に取って代わられる展開のことである。つまり、すでに始まった「世界的な金利上昇」により、「世界各国の中央銀行」のみならず、既存の「金融システム」が崩壊し、この時に、人類の大きな覚醒が発生する可能性のことである。