本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.5.9

異次元金融緩和の現状

最近は、「異次元の金融緩和」という言葉も、あまり聞かれなくなり、また、「超低水準の金利」も落ち着いた状況となっているが、問題は、「裏側で、どのようなことが起こっているのか?」だと考えている。つまり、過去数か月間の「日銀のバランスシート」を検証すると、「残高に関して、ほとんど変化がない状況」となっており、このことは、「日銀が、『異次元の金融緩和』の骨格である『国債の買い付け』を放棄せざるを得なくなった状況」のようにも感じられるのである。

具体的には、今まで、「当座預金」という「民間金融機関からの借り入れ」により資金を調達し、「国債の買い付け」を実施してきたわけだが、現在では、「当座預金の残高」が「約400兆円」という水準で限界点に達したものと思われるのである。しかも、本来は、「昨年の9月頃に、国債価格の暴落が発生してもおかしくない状況」だったようだが、実際には、「政府から資金を借りて、国債を買う」というような「奥の手」とも言える手段の行使により、いまだに、「超低金利の状態」、そして、「金融システムの安定」が保たれているのである。

しかし、「奥の手」と言える手段については、当然のことながら、「金額」の面で「当座預金」とは、大きな違いが存在し、そのために、これから想定される事態は、「国債の買い付けができなくなり、国家の資金繰りに問題が出始める状況」だと考えている。しかも、「現在、どのようにして、国債の買い支えが実施され、超低金利状態が継続可能なのか?」を考えると、実際には、「奥の手の一つ」とも言える「国債の買い、株式の売り、そして、円高」という「プログラム売買」に頼り切っている状況のようにも感じられるのである。

別の言葉では、「過去10年間、私自身も、この商いに、さんざん悩まされた」という記憶が鮮明に残っているが、このことも、結局は、「デリバティブ」を利用した「世界的な金融コントロール」の一例でもあったようだ。つまり、大量に創り出された「コンピューターマネー」により、「2008年」以降、「金利」のみならず、「株価」や「為替レート」、そして、「商品価格」までもが、世界的にコントロールされていた可能性のことである。

そして、この理由としては、「金融システムを安定する」という「政府の思惑」が指摘できるようだが、現在では、「日銀」を筆頭にして、すでに、打つ手が無くなった状況、すなわち、「国債の買い支え」が実施不能な状況となり、「国債価格の暴落」が始まるのを待つだけの段階のようにも感じている。