本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.3.22

意識と行動、そして、感情と絆

「心の謎」を解明するために、さまざまな試行錯誤を重ねてきたが、現在では、ようやく「方法論」が見えてきたようにも感じている。つまり、「どのような方法で、どのように考えるのか?」ということだが、実際には、「意識」と「行動」、そして、「感情」と「絆」について、過去の歴史を深く検証することだと考えている。別の言葉では、「お金の謎」を考えた時と同様の手法が有効利用できるものと思われるが、この時に必要なことは、「それぞれの時代において、どのような意識が、どのような行動に繋がったのか?」、あるいは、「それぞれの行動が、どのような感情を生み出し、その結果として、人々の絆に、どのような変化を与えたのか?」を考えることである。

つまり、「時代の価値観」と「時代の制約」を考慮しながら、「過去の歴史」を検証することにより、「人々の心と行動のメカニズム」を解明することだが、実際には、膨大な作業が必要とされているようである。また、この方法論までに行き着くうえで難しかった点は、「心と行動の関係性」や「行動と感情の関係性」、そして、「感情が、どのような絆を生み出すのか?」ということだった。

より具体的には、「人間は、どのような意識で、どのような行動を取り、その結果として、どのような感情が生まれ、どのような社会が形成されるのか?」について、さまざまな「仮説」を立てながら、具体的な「検証」を行うことであり、この方法により、「心の謎」が解明できるようにも思われるのである。

別の言葉では、今から300年ほど前、「ニュートン」が「重力」を発見したことにより、その後、「自然科学」が飛躍的な発展を見せたように、今後は、「心の謎」を解明することにより、「社会科学の飛躍的な発展」に結び付くものと思われるのである。しかも、今までの「マネーの大膨張」、あるいは、その前提となった「実体経済の高度成長」、また、「20世紀に発生した二つの世界大戦」などの全てが、「心の謎」を考えるうえで、きわめて重要な出来事だったようにも感じられるのである。

つまり、「人類は、何を求め、どのように行動したのか?」、その結果として、「どのような感情や絆が発生し、また、どのような時代や社会が形成されたのか?」を、徹底的に分析する必要性があるものと考えており、この点が理解できた時に、「般若心経」が教える「一切皆空」、そして、「悩みや苦労が存在しない人生」が達成可能なようにも感じられるのである。