本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.11.1

末那識と阿頼耶識

現在は、「文明法則史学」が教えるとおりに、「800年に一度」の「西洋と東洋の文明交代」が発生しており、また、この要因となるのが、人々の「価値観の変化」とも考えている。具体的には、「物質文明から精神文明」、あるいは、「唯物論から唯心論」への「志向の変化」のことでもあるが、この変化については、「800年サイクル」という状況のために、「村山節氏」が発見するまで、誰も認識できなかったようである。

しかし、「理論」の面白い点は、「現状説明」が可能になることであり、実際のところ、「正しい理論」というのは、「これから、どのような変化が起こるのか?」について正確な予想が可能であり、その結果として、「この理論を駆使する人が、有利な立場に位置する状況」も予想されるのである。別の言葉では、「この理論を理解し、有効活用しない場合には、いろいろな競争において、不利な立場となる状況」が想定されるのだが、この点については、現在、「唯心論」に対する理解が、最も重要な点の一つとも考えている。

具体的には、「唯識」という思想に、「末那識(まなしき)」と「阿頼耶識(あらやしき)」という考え方が存在しているが、私自身としては、「阿頼耶識」が「天や神の智慧」、そして、「末那識」が「人知」に相当するものと感じている。つまり、「地球全体」を「一つの円」として考え、この時に、「円周に存在する人々の心が、どこへ向かうのか?」が重要だと考えているが、中心に存在する「神の智慧」に向かう時には、さまざまな苦労を経て「阿頼耶識」に到達が可能なようにも思われるのである。

しかし、多くの人々は、「他人との比較」、すなわち、「円周に存在する、数多くの人々」と「自分」との関係性にこだわる結果、いろいろな「雑念」、あるいは、「悩み」や「苦しみ」などが発生する状況も想定されるのである。別の言葉では、「自分が心から望むこと」に対して「全身全霊で努力する」という態度が、「阿頼耶識」に繋がるものと考えているが、この点については、「今後の数年間で、明らかになるのではないか?」とも感じている。

つまり、「西洋の時代」においては、「物質を代表するマネー」が最も重要なものであり、この結果として発生したのが、「マネーの大膨張」や「超低金利状態」、あるいは、「デフレ」といわれる現象でもあった。しかし、今後は、今までの反動として、「マネーの縮小」や「金利の急騰」、そして、「インフレ」が発生するものと予想されるために、「価値観の変化」が重要なポイントになり、「このことに成功した人々が、これからの時代を作り上げるのではないか?」とも考えている。